泥足/Muddy feet

2015

steel, windbreak nets

h360 x w620 x d790 cm

瀬戸内国際芸術祭2016に出展された作品。小豆島吉野地区に約半年間設置された。日本の農村地域の多くは少子高齢化による過疎化が急速に進み、猪や鹿、猿などの野生動物による作物の獣害被害が切実な問題となっている。よって田畑には、農家の人々によってさまざまに作られた柵が張り巡らされている。広島の山間部で育った作者にとって身近であったこの光景に着想を得て”泥足”は制作された。作品には獣害対策に多用される、日本全国のホームセンターどこでも入手可能なワイヤーメッシュと青い防風ネットが使用されている。泥足が設置された土地は過疎化によって生じた広大な休耕地であったが、その柔らかい土壌から作者は長年にわたって土地を耕してきた人々の営みを感じることができた。土を踏みしめる巨大な足は、そこで行われてきた労働と生産へのオマージュであり、古代から形を変えて現代に続く、自然の脅威と対峙/共存しながら生きる人間の姿を表す。

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